山羊さんゆうびん


まど・みちお作詞/團伊玖磨作曲

白やぎさんから お手紙ついた
黒やぎさんたら 読まずに 食べた
しかたがないので お手紙かいた
さっきの 手紙の ご用事なぁに

黒やぎさんから お手紙 ついた
白やぎさんたら 読まずに 食べた
しかたがないので お手紙かいた
さっきの 手紙の ご用事 なぁに

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「やぎさんってのはアホだなぁ」という話をしたいわけではない。

“未来に向かってエンドレスに続く不毛なコミュニケーション”ってのは、昔からあったんだなぁ・・・ということである。

言葉を何べん往復させてもまったく理解が深まらないということは、よくあることで、毎日コレに悩まされていると言っても過言ではない。

この歌は娘が大好きなのだが、どうにも歌えば歌うほどストレスが溜まる(笑)。

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“正しいコミュニケーション”は、非常に大きな課題である。

ここで言う“正しい”とは、

  • 不足がなく、無意味に過剰ではないこと
  • 明示的に伝達するだけでなく、暗示的にも伝達されること

という、“量”と“質”の両方を意味している。

「“量”と“質”の両方を同時に改善するのは困難なので、まずは“量”を増やそう。(“質”が伴うまでは、過剰な“量”でも構わない。)」

というのが、ロゴスウェアの取り組みである。

改善ポイントを明確に限定して、一歩ずつより良いステージに上がっていくというのは、良い方法論だと思う。

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しかし、「やはり少しは“質”も考えなければならない」という事例があるのも事実だ。

例えば、会員制有料サービスのシステム開発を依頼された顧客とこんなやり取りがある。

(顧客)「管理画面から、会員名簿をCSVでダウンロードしたいんだけど。」

(LW)「了解しました。」

(顧客)「会員のためのサービスはどこに置いたらいいかな?」

(LW)「会員は、ログインしたらMyPageが使えるようになります。そこに置きましょう。」

何の問題もなさそうなやり取りだが、このまま作業を進行させていくと、大きな問題が発生する。

それは“会員”という言葉の範囲にズレがある可能性だ。

後半のやり取りでは、「会員=MyPageが利用できる=会費の支払済」で認識が一致しているように見えるが、前半の「会員名簿」について、その認識でいいという保証はない。

実は「会員名簿=会員申し込み名簿=未入金の会員希望者も含む」かもしれない。

「最初は非会員で、入金後に会員になります。会員は、会員サービスを受ける権利を有する者です。」と説明した後でも、上記のような認識のズレがあったりする。

この認識のズレは、ズレたまま100回会話をしたって修正はされない。まるで「やぎさんのコミュニケーション」である。

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顧客は、「ビジネス視点」で物事を考える。

我々は、「システム視点」で物事を理解しようとする。

「ビジネス視点」では、「“同じ言葉”が“同じ意味”である必要」は全くない。ビジネスには“状況”というのがあり、当然、言葉は状況に応じて意味を変える。

我々がしなければならないことは、「状況を推測すること、ヒアリングすること、確認すること」である。そして、“認識のズレ”を早期に浮かび上がらせることである。

飾らずに言えば、この点は我々がかなり改善しなければならない重要なポイントである。

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谷中

システム開発チームと検証チームのマネージャー。 「疎結合 小さなクラス 分業制」 を裏スローガンとし、これが実現できてこそ、幸せな開発者人生を過ごせるという確信のもと、上流から設計まで口を挟んだり挟まなかったりしています。

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